安平町は子育てしやすい環境づくりに力を入れていると知った友人から、「どんなところが子育てしやすいの?」と聞かれる機会があります。
そうした会話の中で町外の状況を聞くと、
「安平町での子育ては恵まれてるな~」
と感じることが多々あって、この環境は当たり前ではないだと改めて感じさせられます。
安平町はこれから多くの移住者がやってくる状況にあると思いますが、子育て世代の移住者目線での安平町の子育て事情をお伝えしてみたいと思います。
都会から離れて子育てできる強み
私たち一家が安平町へ移住を決めたのは、自然の中で子育てができることに魅力を感じたからです。
朝は鳥のさえずりで目覚め、湧き水を汲みに出かけて、食事は自家栽培の野菜やお米を食べる……
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と、そこまでの大自然ではなく、コンビニやスーパーもありつつも、都会の喧騒からは無縁で豊かな自然に囲まれて過ごす。
こんな環境で子育てできると思ったからです。
近ごろの都市部での学校生活はスマホなどの普及によっていじめなどの問題が増えていると言われているほか、社会情勢を見ても、親世代は子どもたちへ関心を寄せる時間も減り、様々な問題を引き起こす可能性の高まりを感じています。
こうした将来的な不安も移住を決めた原因ですが、今のところ移住当初思い描いていたような安心した学校生活を送ることができています。
学校から帰宅したら暗くなるまで友達と外で遊んで帰ってくるような生活を送っていますが、自然の中でのびのびと遊べる環境が残されているのも、都会を離れて子育てするメリットだと感じています。
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子育てのしやすさを実感できる制度
安平町は子育てしやすい町を実現するために、様々な取り組みを行ってくれています。
町外の友達と話しているとビックリされることがありますが、
- 18歳までの医療費が無料(所得制限あり)
- 保育料の減免
- こども園の充実
など、手厚い支援が受けられます。
慣れてしまって「当たり前」に感じてしまっているところもありますが、町外の方からすると「とっても恵まれてる!」と感じられる制度が整っていて、ありがたみを再認識させられることが多々ありますね。
胆振東部地震からの教育環境の大変化
2018年9月6日に発生した胆振東部地震をきっかけにして、安平町は大きく変わりました。
誤解を恐れずに言うと、単なる田舎だった安平町が魅力あるまちに変わるきっかけになった出来事だったと感じています。
特に教育環境は大きく様変わりし、復興の象徴として語られることが多い早来学園をはじめとして、様々な教育制度が整備されてきました。
「日本一の公教育を目指すまち」の宣言は確実に現実へのものとなってきているのが一住民としても実感でき、今後の発展にも期待しています。
日本一の公教育って、具体的にはどんなことをしてるの?と興味がある方は、こちらの記事も参照していただければ幸いです。
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デメリットを挙げるとすれば…
これまで、安平町の教育に関する良い面をお伝えしてきましたが、安平町で子育てすることのデメリットも存在します。
例えば、次のような点が挙げられます。
医療機関へのアクセス
町内には診療所はありますが、専門的な治療や緊急時の対応が必要な場合は、隣接する苫小牧市や千歳市、札幌市などの医療機関を受診する必要があります。
特に夜間の急病時の対応は、都市部と比べると不安要素となります。
塾・習い事の選択肢
習い事の選択肢は都市部と比べると限られます。
公文式などの学習塾は町内にはいくつかあり、以下のような習い事が可能です。
- スポーツ少年団(野球、サッカー、バドミントンなど)
- ピアノ
- 英会話
- そろばん
習い事の人気どころは揃ってる印象がありますが、それ以外の習い事のために近隣市町村まで通っている子は多いです。
交通の便
他の市町村の高校に通う場合の交通の便の悪さは厳しいものがあります。
高校通学の主な手段はJRですが、1時間に2本程度しか電車はなく、必要以上に早い時間に家を出て、必要以上に遅い帰宅時間になることがほとんどです。
その唯一の通学手段も、廃線の可能性が取りざたされることも多く、いつまで路線が存続するのかも見通せないのが実情です。
町内の高校は進学を目指す場合には適しているとは言えない状況であり、大半の高校生は町外の高校へ通うことから、交通の便の悪さは大きなデメリットであると考えられます。
アルバイトの選択肢
高校生になったらアルバイトをして社会経験をすることも勉強の一つとなるでしょう。
ただ、町内にはそれほどお店もなく、高校生がアルバイトをする機会は決して多くはありません。
町外の高校へ通い、学校帰りにバイトをしてから帰宅するというケースが多いようですが、長期休暇中のことなども考えるとアルバイトの選択肢の狭さもまたデメリットと考えられます。
まとめ
安平町は、都会の喧騒から離れて豊かな自然環境の中で子育てできるだけでなく町の支援も手厚く、子育て世代にとってはありがたい環境が整っていると感じています。
また、「日本一の公教育を目指すまち」として様々な教育の取り組みも充実していて、安平町の教育に魅力を感じて移住してくる人も増えてきています。
一方で、医療機関へのアクセスや習い事の選択肢の少なさなど課題もあるので、これから安平町への移住を検討している方は、こうした面も考慮に入れておくと良いと思います。
隣町の千歳市ではラピダスの進出によって大幅な人口増が見込まれ、安平町も同様に人口増が予想されます。
こうした変化が、これまで挙げたメリットの低下やデメリットの解消に繋がる可能性もあるため、周辺地域の状況の変化も視野に入れて欲しいと思います。
この記事が、安平町への移住を検討している方の参考になれば嬉しいです。そして、移住した際にはどこかでご縁が繋がることを願っています。